ダウンタウンから10分の救急室 LAC+USC ER

Category : ダウンタウン モノ・コト
LAC + USC Medical Center
エルエーシー・ユーエスシー・メディカルセンター
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ダウンタウンのすぐ北東にある病院。
リトル東京アーツディストリクト
チャイナタウンからだと車で5分程度でつく。

LAC = Los Angeles County の略で
USC はダウンタウンの南にある有名市立大学。

つまりこの病院はロサンゼルス郡が
USCと共同で運営している「公」の病院。

落ち着いて考えてみるとなぜ
公立であるUCLAとの共同運営ではなく
私立のUSCなんだろうか?
UCLAは公立だがあくまでカルフォルニア州立で
ロサンゼルス郡立ではないからか。

この病院のすぐ裏、実質同じ敷地内には
USCの病院が別にあり、そこは
Keck Medical Center of USC
という名がついている。
LAC+USCとは別の病院だが
どちらもUSCのためよく混同される。
こちらにはER(救急室)は無い。

LAC+UCSはダウンタウン周辺で名が通る病院だが
実はどちらかと言うと悪名が高い。

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アメリカでは日本の様に国民健康保険はない。
健康保険は個人がそれぞれ加入する。
ただ、その健康保険料は高く
貧しいため加入できない人は驚く程多い。

保険に加入していない人が
普通の病院に行くと、支払い能力が無いと
治療を拒否されてしまう事がある。
(以前ボクが急な腹痛で病院で検査した際、
診療/検査費は$6,000。幸い保険がカバーした。)

この病院ではその様な現実を受け、
公の補助の元、保険の無い人の支払いを
色々な形でサポートするシステムがある。

そのため極端に書いてしまえば
ダウンタウンのホームレスが急病になると
ここに来る、という事だ。
待合室が臭かった、という話も聞く。

それはかなり極端にしても
保険の無い大量の人が皆ここに押し寄せる。

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アメリカで通常の医師の診断は
アポイントメント制で
たまに電話した当日予約が取れることもあるが
大抵2、3日先になってしまう。
1週間先、なんていう事もざら。

例えば、急な原因の判らない痛みがあって
医師の診断をすぐに受けたい時は
アポイントを待っている余裕はないので
ER(Emergency Room = 救急室)に駆け込む事になる。
もちろんこちらは24h開いている。

実際、緊急だが症状が軽い場合、
Emergency Clinicなるものがあるらしいが
システムが複雑すぎてアメリカ人ですら
違いを良く知らなかったり、判らない。
ボクもイマイチ判っていない。

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ある時突然、原因の判らない
堪え難い痛みが襲ったとする。
するとERに駆け込む。

ところが、そんな症状の人は世の中に
毎日沢山いるわけで
特にこの無保険者の集まるLAC+USC病院には
ERの待合室に50人+付き添いもの人が常に溢れる。

ERは名前の通り救急室で
心臓発作を起こした人や交通事故で瀕死の人、
銃で撃たれてしまった人も運ばれる場所。

そんな所において、例えば
食中毒で履き気が激しい
なんていう症状は軽い方になってしまう。

ボクの感覚では
心臓が止まっている、や、意識が無い
もしくは全身けいれん中の様な状態でない限り
すぐに中には入れられない。

つまり救急の度合い、そして先着順で
待合室に50人も人が居ると
いくら救急と言っても数時間も待たされることになる。

実際近所の人でここのERへ来て
9時間(!)待たされたという人すら居る。

到着して名前を告げ待っていて
名前を呼ばれたとしても、まだ安心できない。
初診であれば色々なフォームに記入をさせられる。
もちろん付き添いが居なければ
どんなに苦しくても自分でしなければならない。

その後ようやく奥に入れたとしても
先ずは受け入れドクターのチェックがあり
再度待たされた後に「空きがあれば」
奥のベッドへと通される。

ベッドへ通されたとしても
そこから主治医が来るには
再度何時間も掛かるという事すらある。

この流れはボクの経験上(幸い付き添いとして)
大きな病院のERではどこも同じ。

ここの場合、待っている人数が多いため
自然と全体の待ち時間が増えてしまう。

ERを訪れる人はそれぞれ何かの症状があり
苦しんでいて訪れるものの
ようやく先生に観てもらえたとしても
仮にそれが「熱が異常に高い」ぐらいだと
ボクの勝手な推測では、医者側としても
「そんなのは家に帰って薬飲んで寝ろ」
「この救急の貴重なベッドを占領するな」
ぐらいな気持ちになるのか、
かなり冷たい(ヒドい)対応を受けた
と文句を言う人も居る。

何時間も待たされただけでも悪い噂がたつが
その上、運悪くヒドい対応をされると
本人にとっては苦しいが故に
その怒りは増幅され、悪い噂が人々に広まることになる。
そうやってここの悪名はどんどんと高まっている。

正直、ボクもかなりヒドい状況でないか
特別ここに行く理由がない限り
出来るだけ避けるだろう。
幸い健康保険があるので。

実際、ここで先生か看護士に
「ちゃんとした健康保険があるのだから
状況が落ち着いたら他の病院に行った方が良い」
と言われた。

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先日急に妻が倒れ救急に行く必要がでた。
他の病院も頭には浮かんでいたものの
LAC+USCもそこまで悪く無いだろうという思いもあり
また、その日はダウンタウン中で交通規制が引かれていて
それを避けて一番近いここのERに駆け込む事にした。

妻が自力で動けない緊急な状況だったため
救急車を呼びここに向かったが
実はそれが幸いして
外には多くの患者が待つ中、すぐにベッドへと通された。
待合室には30人は居ただろう。
救急車=優先順位が高いという事なのだろう。

1日過ごした後、原因も判り多少落ち着いたので
自宅を経由して他の病院へ移ろうとERを出たものの
再びその場で倒れてしまいERに舞い戻ることになった。

その際も自力で動けなかった事もあり
ボクが大騒ぎをして車椅子を借りERに走り戻ったところ
救急車の時よりは時間が掛かったものの
100人近く居た待合室の人々を差し置いて
比較的早く中に入れた気がする。

万が一ダウンタウンで倒れる様な事があったら
本当に緊急な状態であればここも良いが
少しでも余裕があり、健康保険があれば
次の記事でご紹介する別の病院をお勧めする。

そしてやむを得なくここに来る事になったら
日本的に、誰かが助けてくれる
なんていう気持ちはいっさい捨てて
付き添いの人は激しく大げさに
その重病度を訴えた方がいいだろう。
ここはアメリカだ。

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ここの病院で一つ確実に良い事は
施設が新しく綺麗な事。
今まで観た5カ所以上のERの中で
比較的最近新しくなったUCLAのERと並び
一番綺麗だった。

また、看護士や先生もいい人ばかりだった。

色んなタイプの人が多く集まってしまうのは
ある意味システム上仕方の無い事ではある。

そう考えると悪評程には悪い病院では無く
利用する側が賢く判断して利用する必要がある
という病院なんだろう。


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1996年に東京からLAに移り、2008年より現在までダウンタウンアーツディストリクト在住。幼少のNYを含めてアメリカ生活約25年。建築デザインの事務所をしています。
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